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【金融商品取引法違反】SBI証券が業務停止命令のニュースを解説-SBI証券は今後も利用して大丈夫なのか

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2024年1月12日

SBI証券が業務停止命令

を受けたと報道がありました。

新NISAが開始される今年からSBI証券を利用される方も多い中で、突然のニュースにより驚かれたことでしょう。

SBI証券は利用できなくなるの?」

「不正を行うような証券会社は信用できないのでは?」

などこのままSBI証券を利用し続けても大丈夫なのか不安に思われている方もいることでしょう。

本日はこのニュースの解説と、SBI証券を今後も利用し続けても大丈夫かを私見も交えて解説していきます。

 

SBI証券は何をしたのか

不当に価格操作されたIPO(新規上場株式)を販売した

SBI証券が行ったのは、”不当に価格操作されたIPO(新規上場株式)の販売”です。それが金融商品取引法違反となり処分を受けました。

以下は証券取引等監視委員会の発表、また金融庁の報道資料から抜粋したものです。

取引所金融商品市場における上場金融商品の相場を変動等させることにより実勢を反映しない作為的なものとなることを知りながら、当該上場金融商品に係る買付けの受託等をする行為

(中略)

上記行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第20号に違反するものと認められる。

https://www.fsa.go.jp/sesc/index.html

https://www.fsa.go.jp/index.html

IPOの価格が市場の需要と供給が反映された価格ではなく、作為的に操作された価格であると知りながら販売したということです。

一部では報道では、

SBI証券の役員が主導で台湾の企業などと価格操作を行った”

という内容の記事が散見されますが、

この資料を見る限りではSBI証券が価格操作をしていたというわけではなく、

”価格操作を知りながら販売した”

という内容になります。

IPOとは

IPOとは、”新規株式上場”または”株式公開”のことです。

IPOは公募価格(上場前の購入価格)から初値(=上場後初めてつく株価)かけて値上がりするケースが多いため、公募価格で買い初値で売り利益を得る”IPO投資”が存在します。

購入は株式公開前に抽選を行い当選した人のみとなっていますが、当選口数は証券会社ごとに振り分けられているため、IPO投資を行う場合は複数の証券会社から応募する方法が主流となっています。

また、企業が新規上場する際に一緒に手続きをしたり公募価格の決定を証券会社とともに行いますが、その証券会社を”主幹事”と言います。

そして、主幹事はそのIPOの当選口数を多く持っているため、IPOの買いたければその主幹事となる証券会社で抽選を受けた方が有利になります。

そのため、IPO投資には主幹事を多く務める証券会社を利用するのが良いということになります。

しかし当然ながら、すべてのIPOが初値で値上がりするわけではないので、せっかく当選したところでIPOの価格が初値で値上がりしなかったり、逆に下がってしまい損をしてしまうということもあります。

IPOの価格操作は証券会社にどんなメリットがあるのか

価格操作でIPOの初値での値上がりを続けることで顧客獲得につながります。

まず新規上場企業としては、公募分の株数が全て売り切れ、初値でしっかり値上がりし、良い市場評価でスタートしたいと考えます。

そのため、IPOで実績のある証券会社に主幹事を依頼するようになります。

投資家目線でも先に述べたように、IPO投資のために主幹事を多く務める証券会社を利用したいため、主幹事を多く務める証券会社は顧客獲得につながります。

反対に初値での値下がりが続いてしまうと、

「この証券会社が主幹事を務めるIPOは値下がりするかも」

という評判で新規上場企業からの主幹事の依頼が減り、顧客離れにつながる可能性があります。

つまり、主幹事として確実に実績を残すことで主幹事を多く任せてもらえるようになり、IPO投資の顧客をつかむことができるというわけです。

IPOの詳細については過去記事をお読みください。

 

業務停止命令はどれくらい重い罰則なのか

金融商品取引法に違犯した場合の一番重い罰は刑事罰です。

会社の代表や主導者に対して懲役刑や罰金刑が課される場合があります。

次いで重いのが行政処分です。

行政処分は営業するために行政の許認可が必要な業界に存在する罰則です。

重い順番で言うと

  1. 登録抹消・許可取消
  2. 業務停止命令(全て)
  3. 業務停止命令(一部)
  4. 業務改善命令

順となります。

今回はIPOの販売の勧誘のみが1週間の業務停止命令を受けたため、3.の業務停止命令(一部)に当てはまり3番目に思い行政処分ということになります

 

SBI証券は今後も利用できるのか

IPOの販売の勧誘のみが1週間の業務停止となるため、IPOも含めて今後も利用は可能です。

 

考えられるSBI証券の今後の影響

IPO主幹事の減少

一番懸念されるのは、IPO主幹事の減少です。

主幹事を決定するのは新規上場企業なので、今回の影響によりSBI証券ではない他の証券会社に依頼するという企業が増える可能性が考えられます。

しかし、IPO投資は複数の証券会社で抽選を受けるのが主流であるためすぐにIPO投資家の顧客離れにつながることはないかと思います。

新規ユーザー減少・初心者離れ

今回の報道を見て今後投資を始めようと考えている層は、SBI証券を敬遠する可能性が高くなります。

また、新NISAが始まる今年から投資を始めた初心者層も、業務停止命令という強烈なワードに不安を覚え、の証券会社に乗り換えたいと考える可能性が考えられます。

 

SBI証券は今後も利用して大丈夫なのか

個人的に、SBI証券は今後も利用して問題ないと思っています。

理由は3つあります。

1つ目は、低い手数料やアプリの利便性など投資家目線で見てのメリットが多いことです。

もちろん楽天証券松井証券など手数料の証券会社はいくつもありますが、もしNISA口座を開設している場合は変更に時間も手間もかかってしまいます。

2つ目は、顧客に直接被害が及ぶものではないということです。

金融商品取引法に違反し行政処分を受けるというのは確かに許されるものではなく、IPO投資家にとっては看過できるものではありません。

しかし、個人情報の取り扱いがずさんであったり悪質な勧誘を行っていたわけではなく、冷静に見ることが必要であると思います。

そして3つ目の理由は、行政処分の独特な慣例であるグレーゾーンと見せしめです。

これについては長くなるのでまた別の記事にてお話ししたいと思います。

 

まとめ

  • SBI証券が行ったのは不当に価格操作されたIPO(新規上場株式)の販売
  • SBI証券はIPOも含め今後問題なく利用できる
  • IPO主幹事に影響が出る可能性がある
  • 個人的にはSBI証券は今後も利用して問題ないという感想

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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